マイホームの購入は、人生でもっとも大きな買い物のひとつです。住宅ローンは数十年にわたり返済が続く長期契約であり、申し込む前の準備がとても重要です。
この記事では、2025年の最新事情をふまえて「住宅ローンを組む前にやるべき5つの準備」を具体例とともに解説します。
返済能力を正しく把握しておく
最初にやるべきことは、自分の返済能力を見極めることです。
住宅ローンの審査では「借りられる金額」が提示されますが、実際に重要なのは「返せる金額」です。
返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)の目安:
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理想は25%以内
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高くても35%以下に抑えるのが無難です
例:年収500万円の人の場合(審査金利3%、借入年数40年)
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年間返済可能額:500万円 × 40% = 200万円
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車のローン36万円を差し引く → 164万円
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月々の返済可能額:約13.6万円
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借入可能額の目安:約3,800万円
これ以上の借入は将来の負担になる可能性があります。
また、以下の支出も忘れずに考慮しましょう。
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教育費(子ども1人あたり平均1,000万円以上)
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老後資金(夫婦2人で2,000万円以上とも)
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固定資産税・修繕費など、家を持つためのコスト
信用情報をチェックし、整えておく
住宅ローン審査では、個人の**「信用情報」**が非常に重視されます。
事前にやるべきこと:
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信用情報機関(CICやJICC)で自分の情報を確認
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延滞・異動情報がある場合は改善を検討
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クレジットカードのリボ払いやキャッシングは完済を目指す
注意点:
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異動情報(返済遅延や未納履歴)は5年程度残る
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複数のローンがあると審査に不利
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消費者金融からの借入があると都市銀行は厳しくなる
具体例:
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スマホ料金を滞納し、携帯分割払いで異動情報がついていた
→ 大手銀行では審査に通らなかった事例あり
逆に、まったく借入履歴がない**「スーパーホワイト」状態も不利に働くことがあります。
→ クレジットカードで公共料金を支払い、毎月きちんと返済すれば信用度アップ**につながります。
金利タイプを理解して自分に合う選択をする
住宅ローンには大きく分けて「固定金利」と「変動金利」があります。
固定金利の特徴:
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金利がずっと変わらない
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毎月の返済額が一定で安心
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金利上昇のリスクなし
変動金利の特徴:
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当初の金利が低め(1%前後も多い)
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半年ごとに金利見直しがある
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金利が上がると返済額も上昇
2025年の状況:
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日本銀行が政策金利を引き上げ中
→ 今後の金利上昇リスクが高い
選び方の目安:
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安定収入がある・共働き → 変動金利で節約もあり
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子育て中・収入に不安がある → 固定金利で安心を優先
住宅ローン審査対策を事前にしておく
住宅ローンを組むには、金融機関の審査に通過することが必須です。
審査で見られる主なポイント:
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年収と返済負担率
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勤続年数(最低1年、理想は3年以上)
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雇用形態(正社員が有利)
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他のローンやカード利用状況
審査対策のポイント:
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車やリボのローンは事前に完済
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不要なクレカは解約して総与信枠を減らす
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転職は住宅ローン審査の後に行うのが安心
家族の収入を使う方法も検討できます:
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収入合算:夫婦の収入を合わせて審査
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ペアローン:夫婦それぞれがローンを組む
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親子リレーローン:親子で返済を引き継ぐ
これらは借入可能額を増やすのに有効です。
住宅ローン控除を理解して節税につなげる
住宅ローン控除は、住宅購入時に利用できる代表的な減税制度です。
ポイント:
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毎年の住宅ローン残高の0.7%が所得税から控除
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控除期間は最長13年間
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控除しきれない場合は住民税からも一部控除
適用条件の一部:
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合計所得が2,000万円以下
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床面積50㎡以上(一部条件により40㎡以上も可)
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自分で住む住宅であること
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返済期間が10年以上
手続きの注意点:
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初年度は確定申告が必要
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2年目以降は年末調整でOK(会社員の場合)
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書類が多いため、早めに準備しておくと安心
まとめ
住宅ローンを組む前の準備は、将来の安心と家計の安定に直結します。
今回ご紹介した5つの準備ポイントはこちら:
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返済能力を把握して無理のない計画を立てる
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信用情報をチェックし整える
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金利タイプを理解し自分に合ったものを選ぶ
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審査対策をしっかり行う
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住宅ローン控除を理解して活用する
どれも早めに取りかかるほど安心です。
「知らなかった」「もっと準備すればよかった」とならないように、今からできることを一つずつ進めていきましょう。
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